1 日時: 2022年5月25日(水)19時~21時
2 場所: 日本学士会館3階9号室
(東京メトロ半蔵門線神保町下車5分、都営三田線神保町下車5分)
3 演題: 「『戦争論』を巡る10の疑問」
4 講師: 加藤秀治郎 (東洋大学名誉教授・本会会員)
5 参加費: 一般会員 1,500円(学生:1,000円)、非会員 2,000円
2022年6月度報告会予定
来月は、文京学院大学教授の岡本至先生に、「経済安全保障と『目的ー手段』の
階層性:
米国における機微技術・情報管理の実態」と題してお話して頂きます。ご期待くださ
い。
5月度の加藤先生の報告骨子は下記の通りです。
尚、この他に、会員の皆様方が、クラウゼヴィッツの「戦争論」に関し、日ごろ
お持ちになっている
質問事項があれば、この機会に事務局宛にご連絡ください。加藤先生にお伝えし、5
月18日迄に
ご連絡頂ければ、可能な限り当日お答えして頂きます。
2022年5月 月例会報告 東洋大学名誉教授 加藤秀治郎
『戦争論』をめぐる10の疑問
報告者は『クラウゼヴィッツ語録』(一藝社、2017年)の後、『縮訳版 戦争論』
(日本経済新聞出版、2020年)を刊行し、その後は全訳に向けた作業をしている(分
量は『語録』約10%、『縮訳版』約33%)。
読みやすい訳文で、『戦争論』の全体像を理解してもらえるようにするのが願いだ
が、分量が多いほど価値が高いかと言えば、単純ではない。読者がそれぞれ関心を
持った部分につき、読み進む点では全訳の存在は便利だろうが、抄訳は価値のない
「まがい物」か?
その他、『戦争論』につき率直な疑問を覚えたことを述べてみる。あまり堅苦しくな
い、一種の「話題提供」となりそうなので、参加者にも積極的に発言頂けると嬉し
い。
論点は、①「全訳か抄訳か」の他、多少学問的なのが、②「戦争は二類型(二種類)
ではなく、二重の性質ではないか」、③「政治と軍事の関係の考察は多いが、そもそ
も政治とは何か」の2点。形式に関わる疑問のが、④「マリー夫人の序文は重要か。
文体はどうするか」、⑤「原文のイタリック体をどう評価すべきか」、⑥「章の構成
に『続』があるのは何故か」、⑦「逆に一つの章に二つの部分をA、Bとして押し込ん
でいるのはなぜか」。
また、報告者が独、英米の学者に訴えているのが、⑦頁数以外に細かい単位のナン
バーがない不便。そして①に関連して、⑨抄訳ではどこを収録するかが重要だが、判
断は容易ではないこと。⑩わが国で邦訳が積み重ねられないできたのは何故か、などにふれる。
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